塾長の想い

はじめまして、塾長の田中です。

今からお話するのは、僕が受験で京都大学に合格した時の経験と、塾講師として旧帝大や医学部といった最難関大学に合格する生徒を指導してきた経験をもとにした、飛躍的に成績を上げるための勉強法についてです。

成績の上がりやすい生徒とそうでない生徒がいる

「成績が上がらない」「どうやって勉強すればいいのか分からない」というのは多くの受験生の悩みだと思います。
そして、できることなら楽をして良い点を取りたい!というのが本心ではないでしょうか。

そんな魔法みたいなものはない!と言いたいところですが、塾講師としてたくさんの生徒を見てきた経験からすると、
テスト期間前から必死に勉強しているのにあまり良い成績を取ることができない生徒がいる一方で、
テスト前にちょっと勉強しただけで高得点を取る生徒がいるというのも事実です。

一体、彼らは何が違うのでしょうか?

生まれ持った頭の良さが違う、と片づけたくなる気持ちも分からなくもないのですが、もう少し深く考えてみましょう。

「効率よく勉強する」ということ

少ない勉強時間で成果が出るということは勉強の効率が良いということですね。

では、効率良く勉強ができる人は何が違うと思いますか?

塾に通って分かりやすい授業を受けているからでしょうか?
塾でテストに出るところを教えてもらっているからでしょうか?
試験で使えるテクニックを知っているからでしょうか?
良い教材を使っているからでしょうか?

色々思いついたと思います。ですが、それらはすべて違います。
関係がないとは言いませんが、これで圧倒的な差が出ることはありません。

初めに成績が上がらない人の特徴を言うと、

「授業で習ったことをできる限り”覚えよう”としている」ということです。

習ったことを覚えるのが勉強じゃないの?と思う人もいるかもしれません。
確かに覚えていなければテストで点は取れないですからね。
けれども実は、成績が良い人は、全く同じ教材を使って同じ勉強をしていても、単に覚えようとはしていないのです。

『覚えない』勉強法

では短時間で圧倒的な成績を取る人がどういうふうに勉強しているかと言うと、
新しいことを学んだときに出てくる、なぜ?という疑問を徹底的に”考える”のです。

例えば、歴史で「1558年に豊臣秀吉が刀狩令を出した。刀狩というのはこういう政策で・・・」ということを習ったとします。そのときに、「そういうことがあったんだ」で終わりません。

「なんでそういう政策をしたのだろうか?」
「自分だったらどういう政策をしただろうか?」

といった新しいことを習ったときに一緒に出てくる疑問を考えるのです。

一見、こういったことを考えてもテストにはあまり関係がなさそうに思えるかもしれません。
けれども、こういったことを考えていくことで、習ったときには「何年にこういうことがあって、その次にこういうことがあって・・・」というバラバラの出来事だったものが、繋がりを持って見えるようになります。

疑問を突き詰めて考えることを通して、歴史が表面的な知識ではなく、深い知識となるのです。

他の例を考えてみましょう。

数学で公式を習って、その公式を使えば問題が解けると分かったとします。
このときに、「この問題はこの公式を使えば解けるんだな」で終わってしまうのが、覚えようとする人です。

一方、成績が上がる人というのは、そこからさらに一歩踏み込んで、

「この問題でこの公式が使えるのはなんでだろう?」
「この問題でこの公式が使えるのは分かったけど、他に使える問題はどういう問題だろう?」
「そもそもこの公式ってなんで成り立つんだろう?」

といったことを一緒に考えるのです。そして、実際に調べたり、自分で試してみたり、友達と話したりして、自分の疑問に答えようとします。

「物事を深く理解をしていると、覚えていなくても問題が解ける」

もちろん、考えても分からないことも多いでしょう。

例えば、数学の公式を証明するには大学レベルの数学が必要なこともあります。けれども大事なのは、こういった疑問をきちんと考えることです。
考えて調べた結果、ああこれは大学レベルの数学が必要なのか、と分かれば、これは覚えるしかないなと納得して覚えることができます。最初から覚えても、公式を覚えたという結果は同じかもしれませんが、プロセスが全く違うのです。

ここまで話してきて勘がいい人ならもう分かるかもしれませんが、こういう勉強をしていると「覚える」という作業が圧倒的に減ります。その理由の1つは、こうやってあれこれ考えていると、自然と覚えてしまうからです。
好きなことや興味があることを調べていると覚えようとしなくても勝手に覚えていたという経験は誰もがあると思います。

それに加えてより大事なのが、

「物事を深く理解をしていると、覚えていなくても問題が解ける」
ということです。

そもそも覚えることには限界があります。

時間的にも限界があるでしょうし、記憶力の問題もあるでしょう。
僕は記憶力が特別良いわけではなかったし、特に興味がないことは覚えようとすればするほど覚えられなくなってしまう傾向がありました。それでも僕が良い成績を取ることができたのは、「自由自在にその場で答えを導けた」からです。その時その時で必要なことを自分の頭で生み出せるなら、勉強の時間は格段と少なくなると思いませんか?

自分で答えを導く力

この力は難関校に合格するには必須の力です。

入試では偏差値が高い学校になると、どの教科書や問題集にも載っていない問題が出題されるようになります。
つまり、初めて見る問題を解かなければいけないのです。こういった問題はただ暗記をしているだけでは決して解くことができません。

この問題で問われているのは、どれだけたくさん知っているかではなく、どれだけ深く理解しているかということです。

深い理解をするためには、普段から「なぜ?」を突き詰めて考える必要があるのです。
問題を根本から分かっていれば、問題が変わっても、応用問題になっても、それに応じて答えを導けるのです。

結論として、僕が受験で合格するために最も重要だと思うのは、

「自分で答えを導く力を身につける」ということです。

そのためには普段から正しい勉強のやり方をしなくてはいけません。
覚えようとするのか、それともなぜそうなるのか?という疑問を突き詰めて考えるのか。

試験に受かりたいがためにとにかくたくさん暗記をしていった人は全然受からず、普段から考える勉強をして、自分の頭でその時における正解を導ける様になった人は簡単に受かってしまうのです。

テスト前に一夜漬けで暗記をすれば、確かに定期テストレベルでは点が取れるかもしれません。
しかし思い出してください。一夜漬けで覚えたものは一週間後にはほとんどきれいさっぱり忘れてしまいますよね。
そうやって暗記をしたことが、後の人生に役立つとは思えませんし、入試まで覚えているかもあやしいですよね。
これは単なる暗記という「作業」であって、決して「学習」ではないのです。

一方で「考える」勉強というのは、自分の考える力を伸ばす、つまり頭を良くする勉強です。この勉強との向き合い方の違いが1年、2年・・・と積み重なれば、圧倒的な差になることは言うまでもないでしょう。

さて、ここまで正しい勉強との向き合い方について話してきました。

本当の学びというのは、決まりきった答えを覚えるという作業ではなく、もっとダイナミックであなたを成長させてくれるものなのです。そういう学びにはいつも気づきや感動があります。そんな勉強をみなさんにはしてもらいたいと思います。

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